別れのニオイ

リナの態度がどこか違う。

何かおかしい。

まさか。と言う不安が頭を過ぎる。

そんなこんなで昨夜は、ほとんど寝れなかった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まず、何が違うかってメールがおかしい。

来る頻度が極端に下がって、内容も軽薄で短文。

「好きやで」って言えば、必ず「うちも大好きやで」。
そう答える性格のリナが、絶対に好きと言う内容に触れない。好きと言う言葉を使わない。

偶然にしては、多すぎる。
好きと言う言葉がスルーされ、「俺の事好き？」と言う質問すらスルーされ・・・。

一体何を考えているのかわからないけど、
わざとその言葉に触れないようにしているとしか思えない・・・。

これが本当に偶然だったり、忙しいから内容が少ないだけだったり・・・俺の考えすぎなら良いけど。

冷めているとか、ほかに気になる人が出来たとか、別れたいって考えているとか・・・。
そういう悪い方向の事を考えずには居られない。

リナに一体何をした？
一体、リナに何があった？

怖い。

そうして別れが頭をよぎると、他の何にも例えようがないほど、リナが怖くなった。

・・・また、いきなり、別れを告げられるのだろうか。
気になる人が出来たなんて告げられてしまうのだろうか。

それとも、徐々にこうして態度で表し、俺にリナを振らせるように仕向けるのだろうか。

あんなにもラブラブで、こんなにも愛しているリナとの間に、
再び別れが訪れるなんて考えにくいけど、このメールの変化を、現実に感じて、別れのニオイを感じずには居られない。

怖い。

どうしようもない。

今日、俺は、リナに気持ちを確かめたりなんてことをする事をやめた。

別れの恐怖に怯えて、付き合っている俺達には、あまりにも普通すぎる内容ばかり喋った。
「おはよう。今日なんか用事あるんやろ？どんな予定なん？」とか「昨日一昨日疲れたやろ」とか・・・。

こんな事が聞きたいんじゃない。
けど、聞くのは怖い。

どうしたら良いのか分からない。

別れなんて来ない。何もない。俺の考えすぎ。
そう信じたいし、そうである事を願う。