濡れ濡れ

2004年5月2日 NORMAL
今日は、GWなのに暇に過ごしました。
しかし、ある男はこう言います。
「違うよ、それは。GWだから暇なんだよ。」

そうかい、友よ・・・。

まぁ、今日はTSUTAYAで漫画三冊も立ち読みして過ごしたせいで首が痛い俺の話は置いといて。
友人が小説(?)を書いたので、
晒そ・・・いや、紹介しようと思います。
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廃人世界

「なぁ、人間の未来はどうなると思う?100年200年の未来じゃなくて、何千年も先の」
「そうだな・・・とりあえず科学が飛躍的に進歩して、人間もそれに頼って生活していると思うよ」
「頼るって、例えば?」
「例えば食事とかかな。流動体の食品がチューブを通して出てくる。それを食べれば3食こと足りる、みたいな感じかな」
「なんだか何処かで聞いたような話だな、他にはどんなのがあると思う?」
「車は無くなって、その変わり宙に浮く乗り物ができるかもしれない、。でもその乗り物さえもいらないような狭い場所に建物が集まって、その建物間はエスカレーターのような物に乗って移動するんじゃないかな?」
「中々便利そうだね、でも僕ならたまには車に乗って観光旅行にでも行きたいけどね。そういえば今、環境問題がいろいろ言われているけど、その点についてはどう思う?」
「そうだね、ちょっと楽観的だけど、人類の技術でなんとかなるような気がするよ。たぶん大丈夫じゃないのかな?」
「まあ楽観的に考えていたほうが楽かもしれないな。ところで未来はともかく、人間は滅びると思うかい?」
「難しいね、でも今のままだと滅びるような気がするよ。」
「それはまた何故?何か考えがあるなら聞かせてくれないか?」
「長くなるけどいいかい?」

人類は21世紀、22世紀と、どんどん技術を発達させていった、
度重なる戦争も技術の進歩と経済の潤いとして吸収されていった。
宇宙へも進出し、様々な分野において発達した。
人類は繁栄の真っ盛りだった。
しかし、月の満ち欠けのように、
徐々に発達の速度は弱まっていき、人類の活力も減っていった・・・。

科学は進んだ物のそれを活かす場所が無くなった人類は自堕落になっていった。
やがて人類は生活を全て機械に頼るようになった。

そしてそれらの機械を制御するための、巨大で性能の良いコンピューターを作った。
コンピューターは管理しやすいように、
まるで物のように人を数字で数えた。
数字で呼ばれるようになってから、人々は自分の名前を忘れた。
何世代、何世紀と続いてきた名前を人々は忘れた。
覚えていても意味がなかったからだ。

人々はやがて、自分から食べることも子供を作ることさえもしなくなった。
コンピューターに任せるほうが楽だったからだ。
コンピューターは毎日プログラムに従って、
指示された番号の人間にチューブから食事を与え、
人工を調整するために、年老いた人間があとどのぐらいで死ぬかを計算し、人工授精機を作動させた。

人々は娯楽だけをしてすごした、
その娯楽というのは脳に直接信号を送って、
快楽を得るという何千年も前の祖先の残した遺物だった。

人々はその機械によって自分だけの世界を作れた。
そして人々は他の人間たちの事を忘れてしまったのである。
自分のいる家の隣に誰がいるなんて知る者は居なくなった。
知っている必要性が全く無いからである。

脳を使って娯楽だけを行い、あとは機械に任せる。
こんな生活が始まってから人々は退化的な進化を始めた。

快楽を与える機械を使うためだけに脳は巨大に発達し、
身体はどんどん小さく、弱くなっていった。

そしてついには人々は身動きすらしないようになった。
動く必要が無くなったからだ。

人々は生き物としての感情を少しずつ、
しかし、確実に失いつつあった。

快楽を与える機械も、人間が人間であってこその機械である。
感情が無ければ何が快楽で何が快楽でないのかさえわからないのである。

人々はただ生きているから生きているだけだった、

望まれて生まれたのではなくて単に人工調整のために生まれてきたのだ。

彼らは生まれたときから既に死人だった。

ある日、人々を養ってきたコンピューターが活動を停止した。
何万年ものあいだ手入れさえうけられなかったからだ。

いつしか、人々は手入れのことなど忘れていた。

かつて、人々が頼っていた機械は何もかもが作動を停止し、
何万年ものあいだ消えなかった灯りは消え、空調設備さえも機能を停止した。

人々は次々に死んでいった、虫けらのように・・・

そして最後の一人だけになってしまった。

漆黒の暗闇と凍えるような寒さで、彼は生まれて初めて恐怖というものを知った。

そして彼は生まれて初めて仲間を探そうとした。

満足に動かない手足を動かして彼は必至に這った。

だが彼には扉に行き着くことさえ出来なかった・・・。

「・・・・そして彼は生まれて初めて「寂しい」と言う人間らしい感情を覚え、そのか細い命に終止符を打った。」
「・・・・・・。」
「これが僕の想像する未来さ。」
「僕はそんな未来は嫌だ。」
「うん僕も同じ意見だ、でもこれは実現しうる未来の1つの形だと思う。どんな未来を想像するかは君の自由だよ。」

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